新型コロナウイルスのワクチン接種が日本で開始しました。

すでに2021年2月17日から医師や看護師など医療従事者向けにワクチン接種を実施しています。2021年4月頃には高齢者への接種を開始する予定となっており、その後、基礎疾患を有する人などの順に接種を進めていく見込みです。

ワクチン接種開始によって投資家はどのような業種や銘柄に注目すればよいのでしょうか?どんな材料をもとにして今後、株式投資を検討していけばよいのでしょうか?

これから詳しく解説していきましょう。

目次

  1. ワクチン接種開始後、航空株・鉄道株・外食株が示す堅調な動き
  2. 日本経済は取り残される!?コロナワクチン接種は「グローバルスタンダード」
  3. 「ウィズ・コロナ」「アフター・コロナ」時代の顧客ニーズに応えられる企業が注目される
  4. 景気敏感株をはじめ、製造業・輸出関連銘柄は回復または上昇基調にある
  5. ワクチン接種開始後でも「グロース株(成長株)」にも注目

1.ワクチン接種開始後、航空株・鉄道株・外食株が示す堅調な動き

日本で新型コロナウイルスのワクチン接種が始まったことで、これまでコロナ禍で特に業績が低迷している航空株・鉄道株・外食株の株価が堅調な動きを示しています。

ワクチン接種開始後から1ヶ月間、主要な航空株・鉄道株・外食株の株価がどれだけ動いたのか、下の表でまとめてみました。

主な航空株・鉄道株・外食株の1ヶ月間の騰落率

日本航空やANAなど航空株についてはワクチン接種開始後、株価の騰落率は2ケタと大幅上昇しています。

JR東日本やJR西日本などの鉄道株や、すかいらーくやゼンショーなどの大手の外食株でも、株価は堅調な動きを示しています。

将来コロナウイルスが収束することを見越して、航空株・鉄道株・外食株を先取り投資しておこうという投資家の思惑が働いたことが、今回の株価上昇の原因と考えられます。

しかし、今回の動向についていえば、企業業績の向上を伴った株価上昇とはいえません。

コロナが収束し実体経済の回復が見込めるようになれば、航空株・鉄道株・外食株などに注目が集まるようになる可能性は高まります。

今年2021年の株式市場において最も注目されているトピックは「コロナワクチン接種の進捗状況とコロナの収束」と言ってほぼ間違いないでしょう。

2021年の日本も含めた世界の株式市場は、ワクチン接種におけるポジティブな情報が出れば強気になり、ネガティブな情報が出れば弱気に戻るという状況が繰り返し続く一年になるものと予想されます。

収益の見込みが不透明な状況にある銘柄への投資判断は慎重を期したほうがよいでしょう。

2.日本経済は取り残される!?コロナワクチン接種は「グローバルスタンダード」

厚生労働省によると、コロナワクチンの接種期間は来年2022年2月末までの予定となっています。

実際のところ、日本で予定どおりにワクチン接種を完了させることができるのでしょうか?

複数の医療従事者の方々に取材してみたところ、「ワクチン接種をする旨の連絡は医療機関から届いているものの、いつ接種を行うかは未定になっている」という声がほとんどでした。

医療従事者へのワクチン接種が進んでいない現状を見る限り、2022年2月末までに日本でワクチン接種を完了させ、集団免疫を形成できる環境を作り出すのは難しいといえそうです。

また、世界から見て、日本ではワクチン接種に抵抗感を持つ人が多いようで、接種希望者の割合が低いことが懸念材料として挙げられます。

世界各国がワクチン接種を積極的に推し進めるなかで、日本のワクチン接種が停滞するようだと、日本経済が世界から取り残される事態に陥る可能性が考えられます。となると、日本の株式市場にもネガティブな影響を与えることになりかねません。

3.「ウィズ・コロナ」「アフター・コロナ」時代の顧客ニーズに応えられる企業が注目される

新型コロナウイルスの感染を抑え込み収束させるには、「ワクチン接種はグローバルスタンダートとなる」ことを受け入れざるを得なくなるでしょう。

ワクチン接種が進めば、人々の行動範囲が広がり、経済活動も活発化します。そうなると実体経済の回復にも希望をもたらし、株式市場にもさらなる好影響を与えることにつながるでしょう。

とはいえ、「新型コロナウイルスの世界的感染」という大きな試練を体験した私たちが、ビフォー・コロナ(コロナ前)時代の生活様式に戻ることはないでしょう。

体調管理や公衆衛生などに気遣いつつ、リモートワークやキャッシュレス決済など、日常生活においてデジタルを活用した非接触系の商品・サービスを本格的に導入・活用していく。これがウィズ・コロナ時代、アフター・コロナ(コロナ後)時代の生活様式になるものと考えられます。

このような状況を把握した上で顧客満足度の高い商品・サービスを提供し続けられる企業が、投資家や株式市場から注目を集めることになるものと予測しています。

4.景気敏感株をはじめ、製造業・輸出関連銘柄は回復または上昇基調にある

ではワクチン接種開始後、どのような銘柄や業種が注目されるようになるのでしょうか?

鉄鋼、化学などの素材産業関連や、工作機械などの設備投資関連などの「景気敏感株」については、すでに収益が回復または上昇しており、株価も上昇基調にあります。

その景気敏感株に刺激されて、製造業も全体的に良好な状況にあります。とりわけ家電株や半導体株は、業績も株価も好調といえます。

さらに、2020年3月に1ドル=100円台までに円安が進んだことで、輸出関連企業においても今後、業績や株価において好影響を与えるものと予測します。

5.ワクチン接種開始後でも「グロース株(成長株)」にも注目

そして、非接触系の商品・サービスを提供している「デジタル系銘柄」といったグロース株(成長株)は、コロナ禍の状況から引き続き、ワクチン接種開始後においても注目されるものと考えられます。

とりわけ、顧客にとってクオリティの高い商品やサービスを提供しており、企業成長の余地が大きい銘柄を探したいところです。

メドレー(4480):通期業績では売上、利益ともに大幅増

例えば、「メドレー」(4480)などは今後の動向に注目してよい銘柄の一つといえそうです。

メドレーは医療ヘルスケア分野の課題解決のために、Web・オンラインを駆使してさまざまな事業に取り組んでいる企業です。

2020年通期のメドレーの業績は以下のとおり、前期と比べ大きく上昇しました。

メドレーの通期の連結業績

さらに、以下のグラフをご覧ください。

ジョブメドレーの1年間のweb訪問数

(ALTalk「メドレー」の指標より)

メドレーが運営する「ジョブメドレー」は、日本最大級の医療介護の求人サイトです。ジョブメドレーで得られる人材紹介による成果報酬を、メドレーは収益の柱としています。

ジョブメドレーの直近1年間のweb訪問数を見てみると、堅調に上昇しており、収益を得る機会を増やしていることがわかります。

グロース株(成長株)の指標としてよく用いられる「PSR」(株価売上高倍率/時価総額を年間売上高で割った数値)を見てみると、メドレーのPSRは約20倍と比較的、割安といえます。

ラクスル(4384):営業利益、経常利益、当時純利益が黒字転換に

低価格でネットで印刷を注文できる「ラクスル」(4384)も、今後の業績において注目される銘柄です。

ラクスルの主力事業となっている印刷ECサービス(商業印刷、事務用印刷)はコロナ禍においても堅調に推移しています。

直近で発表されたラクスルの2021年第2四半期の業績(累積)を見ても、売上高を前期比で約2割伸ばし、営業利益、経常利益、当時純利益については黒字転換を達成しました。

ラクスルの第2四半期(累計)の業績

さらに、以下のグラフを見てもわかるように、この1年間でラクスルのweb訪問数は上昇基調にあり、収益機会を順調に高めていることがうかがえます。

ラクスルの1年間のweb訪問数

(ALTalk「ラクスル」の指標より)

ラクスルのPBR(株価純資産倍率)は19.58倍と割高のように見えますが、PSRは6.7倍とグロース株としてはかなり割安といえます。

以上のような銘柄や業種をチェックしながら、今後の投資方針について検討してみてはいかがでしょうか?

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