2020年10月28日、サイバーエージェント(4751)が通期の決算を発表しました。会社予想を上回る数値でしたが、市場はそれ以上の期待を持っていたようです。一方で同社は日本を代表する企業へと成長する布石を敷く戦略を掲げています。

まずは同社の業績をおさらいしてみましょう。

新型コロナウィルスによる経済活動停止での落ち込みにもかかわらず、売上高は過去最高を更新しました。利益も全て前年を上回る結果です。さらに売上高と営業・経常利益に関しては第3四半期での会社予想を超えています。

続いてセグメント別の業績です。

【インターネット広告事業】

同ビジネスは新型コロナウィルスの影響を受けました。しかし一時的な落ち込みですんだため年間を通しては増収増益となりました。

【ゲーム事業】

第1四半期までは既存タイトルの落ち込みが見られました。しかし今年に入ってからの新作タイトルが売上に貢献し増収増益となりました。

【メディア事業】

 順調に売上を伸ばす中、本年6月からサービスを開始した「ABEMA PayPerView」(ABEMA内で配信されるライブコンテンツを有料で視聴できるサービス)が第4四半期の売上に大きく貢献しました。一方で、同サービスへの先行投資が行われたため通年の営業損失が拡大しました。

10月28日の決算発表後の株価の推移は下落傾向です(2020年11月24日時点)。これは同社の決算がコンセンサスを下回っていたことや、今期の予想も保守的であったことに起因していると推測されます。

決算から読み解くサイバーエージェントの今後の展望

ではサイバーエージェントは2021年期末とそれ以降に向けてどのような展望が推測できるでしょうか。

2021年通期の会社予想は保守的

今期の決算予想およびコンセンサス(2020年11月20日時点)については以下のとおりです。

コンセンサスが会社予想を上回っており、会社予想は保守的だというのが市場の見方です。一方で、サイバーエージェントは売上が順調に推移したとしても、有望な事業案件があれば積極的に投資すると思われます。したがって今期中に大規模な投資が行われた場合、利益面に影響が出ると推測できます。

3期連続増配は業績への自信

同社は決算発表にて今期末の配当(予想)を1株あたり37円と表明しています。これによって4期連続の増配予想です。増配予想は通常ビジネスが順調に推移していることを指します。したがって今期末に向けて上方修正→株価上昇のシナリオを想定すべきです。

市場規模の拡大が見込まれるインターネット広告事業

同社のメイン事業であるインターネット広告事業はすでに大きなマーケットになっています。そして新しい技術を活用することでさらなる成長が見込める市場です。同社はインターネット広告事業の大手として有利なポジションを獲得しています。そして今後もAIや3DCGを活用した広告で業績を伸ばす狙いです。

ABEMAのマネタイズ加速を期待

新型コロナウィルスによる活動自粛に伴い、自宅で楽しめるメディアとして多くの人にABEMAが認知され、ユーザー数が増加しました。

2021年9月期は、マネタイズ強化を加速する期になるでしょう。2020年9月期は、新しいマネタイズにあたる「周辺事業」の収入がYoY1.5倍に成長しました。周辺事業の主なサービスは、ABEMA内で配信されるライブコンテンツを有料で視聴できるサービス「PayPerView」、公営ギャンブルのネット投票サービス「WINTICKET」などがあります。

たとえ今後コロナが収束したとしても、コロナ禍のオンライン体験に慣れたユーザーが完全にオフラインに戻ることは考えにくく、これまでの先行投資で獲得したユーザーをベースに大きく飛躍する可能性があります。四半期の決算発表で進捗をウォッチしていきましょう。


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参考資料

2020年通期決算説明資料

IFIS株予報 ーサイバーエージェント