新型コロナウイルスの脅威が未だに世界を覆っています。

米国のジョンズ・ホプキンス大学のまとめによると、新型コロナウイルスの新規感染者数は6月15日時点で、世界全体で1,332万人を超え、死亡者数は57万人を超えました。

新規感染者数を国別に見てみると、インドがブラジルを抜いて世界2番目になったほか、南アフリカも新規感染者数が1万人を超えるなど、感染拡大の場所が新興国に移っています。

一方で先進国でも第二波を警戒する動きも出始めています。日本も例外ではなく、東京都内では7月16日時点で新規感染者数が200人を超える日が続いており、私たち家計への影響も気になるところです。

2001年以降で過去最大の落ち込みとなった家計支出

 総務省統計局が7月7日に「家計調査(5月分)」を発表しましたが、二人以上世帯の実質消費支出(前年比)の推移を見てみると、今年の3月から5月にかけて大きくマイナスとなっていることが分かります。特に5月の実質消費支出は前年比16.2%減となっており、これは比較可能な2001年以降で過去最大の落ち込み幅となっています。

それだけ、新型コロナウイルスを背景とする外出自粛が家計に大きな影響を与えたことが分かります。

しかし、このような国が発表する経済指標には弱点があります。それは速報性です。

上図のデータは発表されたのが前述の通り7月上旬ですが、データ自体は5月までのものとなります。しかし、いまは既に7月下旬。せめて6月のデータぐらいは確認したいものです。

しかも、基本的には毎月のデータが発表されるということで、発表頻度が低いことも弱点と言えるでしょう。

クレジットカードの取引データが経済指標に?

 そこで、昨今注目を集めているのが「オルタナティブデータ」と呼ばれる新しい経済指標になります。

これまでは経済指標として使えないと思われていたようなデータも、AIやビッグデータの処理能力が進歩したことにより、新たな経済指標として活用されるようになりました。オルタナティブデータとしては、クレジットカードの取引データや、衛星から撮影した画像データ、SNSの投稿なども経済指標になりうるのです。

 株式会社ジェーシービー(以下:JCB)と株式会社ナウキャスト(以下:ナウキャスト)は、匿名加工されたJCBのクレジットカードの取引データを活用して、現金も含むすべての消費動向を捉える国内消費動向指数「JCB消費NOW」を提供しています。

 JCB消費NOWは7月中旬の時点で、6月末までのデータを確認することが出来ます。しかも、毎月データが発表されるのではなく、1か月を前半と後半に分けて確認できるのです。まさに、オルタナティブデータの特徴である速報性高頻度であるということが言えます。

実は消費の底は4月後半だった

 JCB消費NOWのデータを見てみると、実は消費の底は4月後半であり、5月に入ってから消費が回復し始めていることが分かります。

先程の家計調査のデータを見る限りでは、3月から5月にかけて消費支出がどんどん減少していましたが、JCB消費NOWのデータによれば、既に4月後半の時点で消費は底打ちしており、6月後半にかけて戻していっていることが分かります。小売総合で見れば、既に新型コロナウイルスの感染拡大前に近い水準まで戻ってきており、落ち込みが大きかったサービス総合でも、非常事態宣言が発令される前の水準までは戻ってきています。

 統計的な補正を行っているとはいえ、あくまで、クレジットカードによる決済のデータがメインになっていることから、比較的高単価な買い物に引きずられてしまうリスクがあることは留意をしていく必要があります。このため、オルタナティブデータだけを見ればいいということではなく、国が発表している経済指標と合わせて確認することで、より実態に近づいていけるという考え方を持ってオルタナティブデータと付き合う必要があるでしょう。

 これから、消費と物価に関するオルタナティブデータを活用して、経済分析にとどまらず株式投資に関連する記事を連載していきます。今後の記事にもご期待ください。


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