新型コロナウイルス感染症拡大を機に注目が一気に高まったオンライン診療。メドレー(4480)は日本最大級のオンライン診療システム「CLINICS(クリニクス)」を展開しています。

時限的なオンライン診療の初診解禁もあり、先行者利益的な側面もあって業績が拡大しています。株価も2020年10月半ば頃まではほぼ一本調子の上昇を見せてきました。

一方、人手不足の看護職などの求人を行う、人材プラットフォーム事業という部門もあり、収益は安定性もある程度有しているともいえます。2020年12月期の第3四半期(1~9月)決算での注目点を取り上げてみました。

目次

  1. 4~6月期の売上高は前年同期比42%増、利用医療機関数の増加が主因
  2. 人材プラットフォーム事業が安定収益源
  3. オンライン診療は順調に拡大、利用医療機関数は前年同期比2倍に
  4. 【まとめ】「スガノミクス」によるオンライン診療の恒久化の動きに期待

4~6月期の売上高は前年同期比42%増、利用医療機関数の増加が主因

20年11月に予定されているメドレーの20年12月期(連結)の第3四半期決算発表を前に、第2四半期までの主な経営指標と事業展開、注目ポイントなどについてチェックしてみます。

20年8月に発表した第2四半期累計(1月1日~6月30日)は売上高35億6,400万円、営業利益4億5,200万円となりました。上場後初決算で、前年同期との比較はありません。

ただ、実質的には大幅な増収増益となっています。

第2四半期(4~6月)だけで見ると売上高23億1,500万円(前年同期比42.0%増)、営業利益6億6,300万円(同26.2%増)です。

新型コロナウイルス感染拡大でオンライン診療の利用医療機関数の増加を背景に高い伸びとなっています。

20年12月期通期の業績予想は売上高が66億円(前期比38.5%増)~69億円(同44.8%増)、営業利益は3億3,000万円(同2.15倍)~6億3000万円(同4.31倍)と期初予想を据え置いています。

第2四半期決算発表時点(8月14日)で株価は3,570円、時価総額は約1,078億円でしたが、10月26日時点では株価は5,750円、時価総額は約1,737億円と大幅な上昇を見せています。

人材プラットフォーム事業が安定収益源

メドレーの事業は「人材プラットフォーム事業」「医療プラットフォーム事業」「新規開発サービス」の3つの部門に分かれます。

人材プラットフォーム事業では、看護師や介護職・ヘルパー、保育士などの人材不足に対応。一定期間職場を離れた人材が復職しやすいよう、時短勤務制度、子育て支援など、ライフステージの変化に応じた働き方が選べる職場の求人などを多く掲載しています。

人材プラットフォーム事業の第2四半期累計の売上高は約30億900万円(比較なし、以下同)、セグメント利益は約14億3,800万円。新型コロナウイルス感染拡大での緊急事態宣言の影響で面接の遅延、入職延期の影響が出ましたが、同宣言解除後に復調したもようです。

医療プラットフォーム事業では、新型コロナウイルス感染拡大以降に話題になっているオンライン診療に関連しているビジネスが柱。コロナを機にオンライン診療が時限的措置である初診解禁を背景に、クラウド診療支援システム「CLINICS(クリニクス)」が拡大しています。

医療プラットフォーム事業の売上高は約5億300万円、セグメント損失は約2億5,300万円。売上高は拡大しているものの、成長投資や先行投資が赤字の要因に。他社の電子カルテ資産の取得費用も含まれます。

新規開発サービスでは、老人ホームの検索サイト「介護のほんね」などを手がけています。新規開発サービスの売上高は約5億1,900万円、セグメント損失は約4,000万円でした。

オンライン診療は順調に拡大、利用医療機関数は前年同期比2倍に

人材プラットフォーム事業は緊急事態宣言後の発出(4月7日)により、面接設定の遅延や入職延期の影響を受けて低成長にとどまりましたが、5月25日の同宣言解除以降は高成長軌道に回復しているとのことです。採用プロセス上のボトルネックは6月時点で解消しました。

医療プラットフォーム事業では利用医療機関数が第2四半期末時点で前年同期比約2倍の2,173件に達しています。オンライン診療への機運の高まりが要因です。また、メドレーとしては新型コロナウイルス感染拡大の影響で診療所の新規開業減に伴う電子カルテの販売数低下を見込んでいましたが、堅調な販売が継続したそうです。

【まとめ】「スガノミクス」によるオンライン診療の恒久化の動きに期待

メドレーの第2四半期の決算からは安定して収益を稼ぐ人材プラットフォーム事業に対し、先行費用負担はありながらも急速に売上高が拡大している医療プラットフォーム事業という内容がわかってきました。

オンライン診療は緊急事態宣言後も、初診の利用だけでなく、再診でも利用する傾向が強く、日常生活にオンライン診療が根付き始めています。

一方、日本医師会はオンラインの初診は例外で、平常時には対面に戻すよう求めています。こうした中で、菅義偉首相はデジタル化を推進する政策の中で、オンライン診療の恒久化を目指しています。実現すれば、一段の追い風になりそうです。

人材プラットフォーム事業は人材不足の常態化を背景に、順調に伸びる見通しですが、オンライン診療のような急成長は期待できないと思います。業績の下支えとして期待をしておきたいです。

メドレーの株価指標を見ておきましょう。

・PER(株価収益率):404.92倍
・PBR(株価純資産倍率):40.95倍
・PSR(株価売上高倍率):25.55倍
・配当利回り:0%

成長フェーズにある企業ではPER、PBRはあまり参考になりませんし、PSRも一般的ではありません。

20年12月期の売上高予想の上限は69億円(前期比44.8%増)です。まだ、規模が小さい会社ですから、このペースの売上高の変化率が維持されるのかが今後のポイントといえます。

メドレーのオンライン診療システム「CLINICS(クリニクス)」は日本最大級の規模を誇っています。今回の新型コロナウイルス感染拡大で顧客である診療所を多く獲得し、先行メリットを享受しています。一方、これからは新規参入も相次ぐ可能性があります。

課題をクリアし、いかにトップライン(売上高)を伸ばせるかが、当面の株価の行方を決めることになりそうです。PER、PBRの高さは、期待値が低下する局面では株価の乱高下の可能性もあることを念頭におく必要もありそうです。


ALTalkでは、メドレー以外にも、インターネット系銘柄を中心に約50銘柄を掲載していますので、ぜひ登録してご覧ください。


免責事項

記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告なく変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、ご自身の責任でお願いいたします。